小倉さんとトム・ダウド

小倉さんのいない朝を迎えた。

私たち夫婦の22年間の朝のルーティーンはフジテレビ【とくダネ!】を流しながら出社の準備をすることだった。

 

小倉智昭さんは獨協大学外国語学部フランス語学科を卒業されているところが面白い。彼の言葉は軽くない。覚悟や信念をもって視聴者にメッセージを伝えていた。

いまから10年以上前になるが妻から連絡がきた。「パパ。小倉さんが【とくダネ!】でトム・ダウドの映画の話しをしてたよ!渋谷のちいさな劇場で上映してるそうだよ」

妻の口からトム・ダウドのフレーズが出た。嬉しくなった。

 

このDVDは新宿のHMVで数年前に見つけた。特別収録DVDが秀逸。

【とくダネ!】で小倉さんが紹介したこの映画をクラプトン好きの施主のO君と観に行った。

 

私の敬愛する音楽プロデューサーにしてエンジニアの故トム・ダウド。小学校から彼の手掛けた音楽を聴いて血液にして生きてきた。私のアイドルのエリック・クラプトンの多くアルバムは彼の手によって名盤の称号を得た。このブログ【拓庵思考】のGooブログ時代の2012年8月2日【トム・ダウドとマンハッタン計画】でも詳しくトム・ダウドの人物像を描いた。

 

レイラ収録時のトム・ダウド

 

映画を役者で選んだり、音楽をアーティストで選ぶのは当たり前なのだろうが私は幼いころから役者は監督や制作側のロボットで、作詞・作曲・編曲・演奏・プロデュース・ミキシングをひとりで行うアーティスト以外の音楽はレコード会社が創った作品だと思っている。だからクラプトンの名盤【カラフル・クリーム Disrael Gears】はフェリックス・パパラルディのプロデュースとして有名だがトム・ダウドが深く関わっていることは知られていない。【サンシャイン・ラブ】の有名なギターリフのバックでアフリカン・ビートで叩いているジンジャー・ベイカーのドラミングは当時このアルバムのミキシング担当のトム・ダウドが発案した。

その他クラプトンの最高傑作デレク・アンド・ドミノスの【愛しのレイラ】のピアノ演奏も彼の発想だ。小倉さんが番組で「良い映画を観ました」と熱く語り、それを妻が聞き『あ!パパが良く話すプロデューサーの名前だ!」と気付き連絡をくれたことで私はトム・ダウドの映画の存在を知るのだが….この流れ全てに感謝したい。

さらに妻の連絡を受けた私はフジテレビに電話をかけた「本日放送の【とくダネ!】内で紹介された渋谷の映画館はどこですか?」と…..フジテレビの電話交換の女性が「しばらくおまちください」と言い3分くらい待つと「【とくダネ!】の番組プロデューサーです」の声が聞こえた。要件をいうと「了解です!お待ちください!」と【トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男】の上映している渋谷の映画館を丁寧に教えてくれた。これには感動した….

「トム・ダウドが好きで、妻が見ていて連絡をくれました」と、【とくダネ!】プロデューサーに話すと「小倉さん喜びますよ!いい奥様ですね!」と電話口から元気な声が響いた….

 

一緒に渋谷に観に行ったのは、当時【ストラト・キャスター】という名前の私のデザインの家の施主のO君。彼は自前のストラトキャスターを大阪の工房で注文するくらいギターが好きで音楽にも詳しい。今まで61年ほど生きてきて私と同等に音楽の話しをできる人間にあまりお目にかかれないが、O君は違った。渋谷の映画館に行く道中に色々なギター音楽を聴いていった。O君はビリー・コブハムのCDを持ってきた記憶がある…..

 

先日FMぐんまの野口さんが巴座本館の私の仕事部屋兼アトリエに遊びに来た。野口さんはFMぐんまの創設メンバーのひとりである。

 

【高橋和美のチャンネル148ネオ】16時台のともえ座のいえのラジオCMの新収録に行った際にザ・バンドのセカンドアルバムが飾ってあったので担当の羽鳥さんに「このレコードはFMぐんまのもの?」と聞くと「いいえ野口という者の私物です」という。収録を待っている部屋にはトッド・ラングレンやミック・ジャガー、ビーチボーイズの写真パネルも多数飾ってある。私は羽鳥さんに「これを飾ったひとは誰にも理解されないで、張り合いが無いだろうから俺の部屋に遊びに来るようにつたえて」と伝言をお願いすると翌日電話が来た。

 

「FMぐんまの野口です。」私の学年ひとつ上ではあるが3か月しか年齢が違わないレコードマニアの落ち着いた紳士の野口さんは電話をくれた5日後にケーキのお土産を手に遊びに来た。それはもう楽しい時間だった。

 

野口さんはトム・ダウドの映画の存在を知らなっかったが、野口さんが「ザ・バンドの映画が来ますよ」と言うので「【ラストワルツ】ならブルーレイもっていますよ。高校時代に函館の巴座で観ました」と返すと「いやいや新作です」と【かつて僕らは兄弟だった】を紹介してくれた。【かつて僕らは兄弟だった】は、シネマテークたかさきで上映していたがコロナを懸念して私は5月発売のブルーレイ盤を予約した。

 

野口さんがFMぐんま内に飾っていたザ・バンドのセカンドアルバムのジャケットと同じ写真。カナダ人4名、アメリカ人1名の最高のバンド。

 

 

 

【ラストワルツ】【狂熱のライブ】皆、函館の巴座で観た。最近Amazonで買ったのだが実際は980円で購入できた。今このブログもトム・ダウドのプロデュースにしてリミックスの【レイラ】のアルバムを聴きながら書いているが私は1970年代前後の音楽の世界の中に住んでいる。FMぐんまの野口さんもそのようなことをお話ししていた。二人ともギターを弾くのでいつかセッションしたいと思っている。

 

小倉さんは【とくダネ!】を勇退した。私はともえ座のいえのデザイナーや代表を勇退はしない。どちらかというと過去最高に頭が調子いいので創作意欲、ギター演奏、筋トレ全て良し。

 

小倉さんを見るたび思い出したトム・ダウドだがこれからも彼の手掛けた音楽を聴き続けるつもりだ。

 

【小倉さんとトム・ダウド】 完

 

 

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